CHOISE-葬送の水礼-

CHOISE-葬送の水礼- CHOISE-葬送の水礼-
CHOISE-葬送の水礼-

CHOICE-葬送の水礼-

「お願いします・・・死なせてください・・・・・・」 二人の内の一人、年配の男性がそんな懇願をする。 それを聞いたもう一人の若者は、年配の男性の目を真っ直ぐに見据え、答えを返した。 「分かりました」 今から約10年前、安楽死基準法が制定された。 この法律は自死を是とするモノで、これにより全日本国民は、自分の意志で人生を終わらせる権利を得た。 そして、その制度利用者を補助する為、新しく出来た職業[安楽死整理士]。 その安整士(あんせいし)として僕、水上正一(みなかみせいいち)は――――。 死の案内をしている。